子どもたちに伝えたい 四万十川と鮎のこと

四万十川と鮎を、子どもたちへ引き継ぐために

この日は、地元の川漁師さんお2人にご協力いただき、子どもたちと一緒に投網で鮎をとる体験をしました。
漁師さんが大きな網を投げると、川の中にいた鮎が逃げるように泳ぎだします。子どもたちも一緒になって鮎を追い込み、なんと6匹の鮎をとることができました。

思いがけない驚き

鮎はふだん、朝夕のしずかな川でよく獲れるものです。ところが、この日はお昼、子どもたちが川辺で元気いっぱいに声をあげながらの体験。それでもしっかり鮎が網にかかり、みんなびっくり、大喜びでした。

子どもたちに残したい体験

参加したのは地元の小学校2年生、14人。はじめての川漁に目を輝かせ、漁師さんと一緒に汗をかきながら楽しんでいました。
川とともに暮らしてきた地域の知恵や漁の技を、次の世代に伝えていくこと。今回の体験は、そんな思いを込めて行われました。

四万十川 鮎 川漁体験
四万十川 鮎 川漁体験

地域の知恵を受け継ぎ、子どもたちの心へ

体験のあとには、道の駅よって西土佐の林駅長から「川で遊ぶことの大切さ」「鮎の一生」「自然を守ることの意味」などを語っていただきました。とくに、「おいしく食べることも鮎のためになる」ということばは、子どもたちの心に強く残ったようです。
このように、地域の知恵や体験を共有することが、未来へ自然と文化をつなぐ第一歩になります。


せっかくなので、林駅長から子どもたちへのメッセージを紹介します。

川で遊んだ思い出を大事に

夏休みに川で遊んだ人、手ぇあげてみて。やっぱり一度は川に入って遊んでほしいがよ。おじいちゃんからのお願いかな?
今はプールもあって、川に行くには親の都合もあるろうけんど、絶対ひとりでは行かんこと。必ずお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に遊んでね。

四万十川の始まり

川は海とちがう。海は塩からいけんど、川は塩からうない。淡水(たんすい)っちゅうがやね。
この川は、源流が不入山(いらずやま)にあるがよ。そこから一滴の雫が流れてきて、ここでみんなが遊ぶ大きな川になるがやき。

山と川の恵み

山には杉やヒノキ、広葉樹があって、葉っぱが落ちて積もる。雨が降ると栄養になって川に流れ込む。その栄養が魚や生き物を育てるがよ。
四万十川には、日本一種類が多い淡水魚がおると言われちゅう。エビもいっぱい種類がおるし、トンボも飛んでくる。興味があったら図鑑で調べてみて、博士になってや。

鮎のこと

鮎は川の苔を食べて育つ。その苔に山の栄養が入っちゅうき、川ごとに味も香りもちがう。仁淀川の鮎、安田川の鮎、四万十川の鮎、それぞれに“その川の味”があるがよ。これが天然の鮎の魅力やね。
鮎の寿命はたった1年。春に小さくして上ってきて、夏に大きゅう育ち、秋に産卵して命を終えるがよ。

漁と川のルール

鮎漁は10月15日までと決まっちゅう。川の命を守るための決まりやね。それを過ぎると鮎は海へ下っていき、産卵して一生を終える。鮭(さけ)と同じように、海と川を行き来して命をつないでいくがや。

鮎を大切に食べること

おじいちゃんらは、鮎を大切に獲って、大切に食べてきた。東京の豊洲市場にも四万十の鮎は出ちゅうがよ。遠い人にも食べてもらいたいと思いながら獲りゆう。
おいしく食べることも、鮎のためになる。魚が“幸せ”やったと思えるように、感謝して食べてやってね。

川とともに生きる

川はきれいなだけじゃ魚は育たん。山や森からの栄養が川に流れ込んで、魚や鮎を育てる。だから自然を大切にしようや。
魚が嫌いな人もおるかもしれんけんど、川や自然はみんなで守らんといかん。みんなが大きゅうなったとき、『日本はきれいな川があるね』って言われるようにしようや。

四万十川西部漁業協同組合
あゆFES
鮎釣ダービー
あゆ王国高知